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  天使のいない12月   (Leaf 2003/9/26)
ジャンル 鬱、そして僅かな希望ADV  
特徴 ・みんなぶっ壊れて大団円は皆無
・いいんちょ最高(・∀・)イイ!
・切ない。リアル、どこまでもリアル
《簡単な紹介》

 主人公は、世界の全てが無意味で下らないと思っている高校生。
 かといって死ぬ勇気もなく、漂うように生きていた。
 そんな漠然とした日常の中、なりゆきで興味本位でセックスをしてしまう。

 儚く脆い結びつきは周囲の人を巻き込みながら、侵食するように心を壊していく…。


《主要人物》

栗原透子(くりはら とうこ)
 主人公のクラスメイト。
 常に幼馴染のしのぶにくっついて行動している。
 自分に自信がないためか、オドオドしていてかなりトロい。典型的な苛められキャラ
 なりゆきで持ってしまった主人公との肉体関係だが、たとえ快楽目的だけだとしても
 自分が必要とされたという想いから、その繋がりに依存していく。


榊しのぶ(さかき しのぶ)
 透子の幼馴染でクラスメイトでクラス委員。
 優等生で責任感があり、イジメの対象となりそうな透子を過保護にしているが、
 逆に彼女を守るということに自分の存在意義を見出している。
 強がっている割りに精神的に脆く、主人公と透子との関係によって心を壊される。


麻生明日菜(あそう あすな)
 主人公のバイトしているケーキ屋の先輩で女子大生。
 お茶目で小悪魔的に主人公を誘惑(からかってるだけ?)してくる。
 年上の女性として大らかに明るく接してくるが、逆に白々しくて勘繰ってしまうほど真意が読みにくい。


須磨寺雪緒(すまでら ゆきお)
 主人公の同級生でバイト仲間。
 上品で落ち着いた雰囲気だが、どこか人が近寄りがたい雰囲気を同時に醸し出している。
 何かを好きになり後々傷つく事を極端に恐れていて、感情を抱かないよう心を閉ざしている。



葉月真帆(はづき まほ)
 主人公の親友の彼女で後輩。
 明るく元気で前向きだが、落ち着きはない。彼氏との恋愛観のギャップに色々と悩む
 ゲーム中、彼女が一番まともな精神状態だったりする;


恵美梨(えみり)
 主人公のひとつ年下の妹。
 生意気盛りで主人公に対して辛辣に当たる。
 可愛げは全くない。



《感想》

▼原画・CG
 原画担当はなかむらたけしさんとみつみ美里さん。画風が似ているからか担当を隔てた違和感は全くありません。
 構図や人の表情など、すごく洗練されいています。キャラも好みで非常にうまいなと感心しました。
 CGは水彩画のような淡い色塗りで、何となく古めかしくて、パッと見画質はあまり良くないのかなーという感じがします。
 でも、おそらくこれは表現として狙ったのでしょう。ダークな世界観にとてもマッチしています。
 シナリオが濃かったので、もう少しHシーン以外のイベント絵が欲しかったです。枚数は少な目のような気がしました。




▼シナリオ 三宅章介
 一言で言うならリアル。
 付け加えるならば暗い、辛い、痛い。人と交わることは無意味だと思いながらも、それでも温もりを求めて止まない人々。
 Hシーンに雪崩れ込んだり、現実ではありえない設定があったり、プロットはゲーム然としていているのですが、
 それは副産物に過ぎません;
 ゲームは作り物だから、始まりがあり、終わりがある。
 純愛系のゲームならば、紆余曲折しながら主人公とヒロインが恋愛をして、
 Hして最後に身も心も結ばれてハッピーエンド、という法則が存在します。
 仮に結ばれないとしてもバッドエンドという結末が必ずあります。
 そうしなければ物語として成り立たないからです。結論がない物語ほど不出来なものはないですから当然ですね。
 しかし、このゲームは約束された予定調和が用意されていません。主人公やヒロインは報われない想いや
 心の傷を残したまま時間切れ(エンディング)を迎えます。

 手を差し伸べる「天使」は、最後まで現れませんでした。
 悪く言えば「ほったらかし」です。でも作為的でないところが、逆にリアルだと錯覚するのかもしれません。
 主人公たちは心が壊れてしまえば、苦しみを感じることはないと、自虐的な行動を取る一方、
 自分の存在を確かめるように相手を求めます。
 刹那的に身体を重ねる。逃避願望とその先にある死。分かり合えない、自分とは相容れない世界。
 それでも人として求めてしまう温もりや希望。
 自分の過去や感じている現実と残酷なほど似通っていました。
 最近はゲームを「どうせ最後はハッピーエンドだろ?」と、冷めた目でしか見れなかったのですが、
 久方ぶりに感情移入してどっぷり浸ってしまいました。

 ちなみに、凌辱系などのエロ目的だけのゲームは、上記のようなシナリオの仕掛けがあってもなくても
 あまり意味はありません。どのみち本能の赴くまま性の捌け口にするだけなのですから。
 私見ですが一応、誤解がないように補足しておきます。



▼音楽(BGM)
 音色はギター中心でシンプルに統一されています(主題歌除く)
 これはゲームのコンセプトに合わせてそうしたのでしょう。明るい曲はありません(汗)
 4人の方が担当されていますが、ゲームの世界観を損なうことなく、見事な曲を作り上げています。
 単調さもなく自然に溶け込んでいますね。ついついサウンドトラックを購入してしまいました^^
 切ないバラードのエンディング曲「ヒトリ」は必聴!というか聴け、今すぐ聴け(笑)


▼音楽(CV)
 あまり名前を聞いたことない人たちばかりでしたが、上手でした。
 このゲーム内で声はあまり重要な部分ではないので特筆すべきことはありません。


▼ゲームシステム
 メッセージウィンドウとヴィジュアルノベルが複合したアドベンチャーゲームです。
 通常はメッセージウィンドウで、主人公の回想の場面はヴィジュアルノベル型、という風に使い分けされています。
 選択肢でストーリーが分岐し、それぞれのエンディングを迎えます。
 選択肢はかなり難解で、どれが正しい答えかおそらく分からないでしょう。分岐の数はそれほどありませんでしたが、
 かなりバッドエンドになりました。
 クイックセーブはありませんが、セーブ数は50くらい。オートプレイ、バックログ、音量調整などインタフェースはほぼ完璧です。
 特筆すべき点として「音声の引継ぎ」という機能があります。
 音声再生中メッセージを進めても音声が切れないのは、なかなか良かったです。
 おまけはCG鑑賞、H・EDの回想、音楽鑑賞があります。
 ちなみに全キャラクリアするとボーナスおまけが選択できるようななります。



▼H
 展開が強引で半ばレイプまがいのシチュエーションもありますが、全て合意の上でのHです。
 暗いストーリーだと言ってもマルチストーリーなんだから、ラブラブHも少しはあるだろうと
 思っていましたが、敢えて言いましょう。そんなものは全く存在しません(キッパリ)

 一時の快楽を求めて、はたまた自分を貶めるため、苦しさを紛らわすためにお互いの体を貪ります。
 愛や恋は幻想だと言わんばかりにまぐわいます。なのでちょっと後ろめたい感じがします。
 攻略可能キャラ5人で処女率は80%。妹の恵美梨は攻略不可。
 初々しい子達ばかりでバリエーションも乏しいですが、積極的に乱れてくれるので実用性は意外と高いです。
 余談として原画担当のなかむらたけし、みつみ美里の両氏はエロシーンはあまり得意でなく
 男を書かないイメージがあったのですが、エロさ満載で嬉しい誤算でした。

(以下ネタバレデータ)
処女:透子、しのぶ、雪緒、真帆
非処女:明日菜
(ネタバレデータ終了)
総評・ゲーム詳細データ
正直、どんな人に向いているのか分りません(゜д゜)
 ポジティブな感動はありません。それを求める人がこのゲームをやるのは危険です。
 ただ、事実として私自身はかなり心を揺さぶられました。
 やるのかやらないのか、それは運命に委ねてください。
CG枚数 80 HCG率 50% シーン数 30
処女率 4/5 プレイ嗜好 嗜虐、若さ、オーソドックス 音声 女性のみ
選択肢 マルチエンド 音声再生
既読スキップ バックログ オートプレイ
セーブ数 50+- クイックセーブ ×    
CG鑑賞 シーン鑑賞 音楽鑑賞
ディスクレス ×        
・5シーンはエンディング回想
・フルコンプで声優さんのインタビューが聴けます

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